働く方にとって家族の介護問題は重要な課題です。自宅での介護が必要な状況になってくると会社を休むことも余儀なくされます。仕事に対する責任感の強い人の中には、会社に迷惑がかかるとの理由から退職を選択肢に入れることもあるかもしれません。そんな時に利用したいのが介護休暇です。介護休暇とは労働者が要介護状態の家族を介護するために休暇を取る制度です。その目的は仕事と介護の両立にあります。家族の介護のために仕事を辞めざるをえない状況に追い込まれる労働者が多く、収入が途絶えてしまうことや社会との隔絶を防ぐために設けられました。日本では高齢化社会が急激に進み、家族間での介護問題が大きな社会問題となっています。介護休暇はその日本の現状を反映した制度だといえるのです。
介護休暇は育児介護休業法によって定められていて、労働者は1日単位や半日単位、時間単位で休暇を取得することができます。介護休暇の取得日数は年に5日、2人以上であれば年に10日までです。実際の介護だけでなく介護に必要な手続きや送迎などにも適用されます。介護休暇の対象となる家族は事実婚を含む配偶者やその両親、父母や子供、扶養する祖父母、兄弟姉妹および孫も対象です。労働者が介護休暇を取得するには事業主に申し出る必要があります。事業主は申し出があれば、原則的に拒否することはできません。ただし、勤続6か月未満の労働者や週の所定労働日数が2日以下の労働者の申し出は拒否することができます。介護休暇は労働者の付与された権利です。働きながら介護をされている方は積極的に利用してみてください。